高桑昌作展鑑賞記
燃えるような灼熱の太陽の照り付ける夏、8月1日(火)~6日(日)埼玉近代美術館に於いて高桑昌作先生の第5回「自己分析展」“華麗なる悦楽の世界”と銘打った大個展が開催されています。評論家の中野中先生の“豊潤なる人間賛歌”、多摩美大教授、中村高朗先生の“女神達の春の喜び”と評論にもあるように、人間味あふれる興味深いタイトルにも大いに惹かれ鑑賞して参りました。
高桑先生は旺玄会の重鎮で常任理事はじめ、多くの役職に就かれている地元坂戸、鶴ヶ島、川越の美術界を牽引する大きな存在です。
1951年新潟のご出身、坂戸在住、中央大学・多摩美術大・イタリアのペルージャ国立大学留学を経て地元埼玉の教育界に籍を置きながら絵画制作に取り組まれ、1972年、第38回旺玄会展に出品以後、文部大臣賞他数々の大賞を受賞され、個展は勿論多くのグループ展にご参加され絵画教室も主催されて居られます。
灼熱の太陽の下、真夏にふさわしい、高桑先生の作品群は正に女神たちの燃えるような甘美な姿態、金銀を巧みに配置した色彩鮮やかな高桑芸術が出現し、迸るマグマの様なエネルギッシュな人間力を感じさせる中に、繊細で耽美な法悦の世界が出現して不思議な美の世界を感じてしまいます。広い会場の雰囲気も手伝って気持ちよく鑑賞出来ました。余談ですが同時開催で旺玄会の常任委員・委員の有志の方々の特別展と旺玄会埼玉支部展も開催されていますので有意義な時間を過ごす事が出来ました。 森 務