吉田迪子さん個展鑑賞後記            

 

創展会友の吉田迪子さんの個展が9月18日(火)から24日(月)迄、秩父市蒔田の国指定重要文化財である”内田家(江戸中期豪農)”通称”繭の家”で行われています。

吉田さんの個展は今回も勿論、朝日新聞社はじめ各新聞社で度々大きく取り上げられています。58歳で始めたペン画は16年間ひたすらに描き続け現在74歳の吉田さんのペン画は、地元は勿論、創展でも大きな話題になっています。

一言で表現するとすれば”これは人間技とは思えない”精緻でありながら暖かく目の前の絵がリアルに胸に迫る本物の感動に打ち震えてしまいます。

吉田さんは全て現場主義ですから雨の日以外は毎日現場に通いイーゼルならぬ木製のテーブルにユネスコの世界遺産に登録された秩父の細川紙を広げ、下書きもなしに描き始め100号、120号の大作をそれこそ1年2年がかりで完成させるのです。正に絵の虫、創作している姿に鬼気迫るものがあり、パトカーを呼ばれて不審者に間違えらたこともあったと聞いています。

余談ですが、吉田さんの中学時代の古いペン画の作品を見せられた時、吉田さんの絵の才能が並々ならぬものだと認識しました。

此の度、地元秩父”内田家秋のおいでくだ祭”の内田家は吉田さんの個展をメインに琴やクラリネットの演奏会も開催されています。

秋の秩父盆地の小さな旅では、吉田さんの個展が醸し出すすがすがしい癒しの時間を満喫した次第です。                     森   務